コンクリートの作り方と使い方
コンクリートは、建築物の土台やテラス、ブロック塀や門柱の基礎、駐車場、側溝のフタなど広い範囲で使われています。
コンクリートの知識や扱い方を身につければ、自分でできる修繕の幅が一気に広がり、ちょっとしたひび割れなども直すことができます。
今回は、コンクリートの作り方と使い方を紹介します。
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コンクリートの知識
セメント、モルタル、コンクリートの違い
セメントは粉状のもので、一般的に袋詰めされています。
このセメントを水で練ったものをノロといいますが、そのまま使用することはほとんどなく、砂や砂利を混ぜて使用します。
セメントに砂を混ぜたものを「モルタル」といい、さらにそこに砂利を混ぜたものを「コンクリート」といいます。
また、鉄筋コンクリートというのは補強材として鉄の芯をコンクリートに埋め込んだものをいいます。
割合 | セメント | 砂 | 砂利 |
---|---|---|---|
モルタル | 1 | 3 | ー |
コンクリート | 1 | 3 | 6 |
モルタルとコンクリートを作るときの混ぜる割合は上の表のようになります。
コンクリートを作るときには、混ぜる砂利の量がそのままコンクリートの量になります。(下の表)
バケツ | 割合 | |
---|---|---|
セメント | 1杯 | 砂利の量の1/6 |
砂 | 3杯 | 砂利の量の1/2 |
砂利 | 6杯 | 必要なコンクリートの量と同じ量 |
できあがるコンクリート | 6杯 | ー |
モルタルとコンクリートの用途は?
モルタルは一般にブロックやレンガを積むときの接合材として使用します。
また、コンクリートを打った面の仕上げ材として上塗りにも使われます。
コンクリートは、ブロック積みの基礎や建物の土台、池、テラス、駐車場の床など、強度の必要な場所で広範囲に使われます。
使用した道具の後始末は?
スコップやコテなどの使用した用具は、コンクリートが固まらないうちにバケツなどにくんだ水で洗い、セメント分を含んだ水は庭の片隅に穴を掘って捨てます。
セメントは水中でも固まるので、流しなどで洗い流すと排水管を詰まらせる原因になります。
洗って乾燥させた用具は錆びないように防錆材を塗っておきます。
コンクリートの作り方
コンクリートを作る場合には、合板の上で角型のスコップで練るか、トロ船や錬グワを使います。
また、型枠に流し込むときには流れやすいように少し柔らかく作ります。
① セメントと砂を空練り
セメントと砂をトロ船で空練りします。
② 砂利を加え空練り
砂利を加えて、さらによく空練りします。
③ 水を加え練り合わせる
山をつくり、凹みをつけ、水を加えて、全体を練り合わせます。
④ かたさの調整
水を徐々に加えて、全体がソフトクリームぐらいのかたさになるようにします。
型枠を作って流し込む
勝手口のたたきや庭先のテラスなどをつくるときの方法です。
① 型枠を組む
テラスなどをつくる位置と高さを決め、方になる枠を組みます。
枠の両端にヨコ木を取り付け、枠同士をクギでとめます。
次に枠の外側にクイを打ち込みます。
② 砂利で地盤を固める
枠の内側に大きめの砂利を敷き詰め、太めの角材などでよくつき固め、地盤を固めます。
また、小さめの割りぐり石や、ブロックの破片などを入れてもよいです。
③ モルタルを塗る
砂利の上にかために練ったモルタルを厚さ2㎝程度塗り、左官ゴテで平らにならします。
表面をきれいに仕上げる必要はありません。
④ ワイヤーメッシュを入れる
コンクリートの割れを防ぐためにワイヤーメッシュを入れます。
コンクリートでできた15㎝角程度のピンコロを下に置いて、ワイヤーメッシュを浮かせるようにします。
ピンコロは40㎝程度の間隔で置きます。
⑤ コンクリートを枠に流し込む
下準備ができたら、コンクリートが流れやすいように柔らかめに練り、枠に流し込みます。
このとき、角材や棒でコーナーなどを突いておくと、隅々まで流れ込み失敗がありません。
表面をざらざらにして滑りにくい仕上げにする場合には、水が引き始めたときにほうきに水をつけて、掃くようになでると軽くスジがつきます。
これが仕上げになります。
型枠が大きい場合は、木づちやゴムハンマーなどで型枠の外側から軽く叩きます。
振動を与えることで型枠内側に空洞ができません。
⑥ 養生して4~5日置く
コンクリートを打ったあと直射日光に当たり、急速に乾燥すると割れることがあります。
表面を平らにならしたあとは、段ボールや養生シートなどをかぶせて4~5日置きます。
その後、クイを抜き、型枠をはずします。
⑦ モルタルで仕上げる
コンクリートの表面をモルタルで仕上げます。
まず表面に水を打ってから、モルタルを上塗りします。
このとき、多少勾配をつけておくと水はけがよくなります。