水洗トイレの故障と修理方法
トイレは家族の健康のために欠かせないものです。
そんな毎日使っているトイレですが、「水が出ない」「水がとまらない」などの故障を起こすと大変困ってしまいます。
水洗トイレのタンク内部は一見複雑そうですが、仕組みさえ分かってしまえば修理は意外と簡単にできます。
業者をわざわざ呼ばなくてもよい程度の修理なら自分でしてしまいましょう。
今回は、水洗トイレの故障と修理方法について紹介していきます。
ハウスクリーニングや家事代行、不用品回収、引越しなどの暮らしのサービスをオンラインで予約するなら『くらしのマーケット』!!
サービスを利用したユーザーの口コミ、満足度や具体的なサービス料金で簡単・便利に徹底比較できます。
- インターネットで事前に料金がわかる
- 充実の口コミで信頼できる店舗を探せる
- 自分にぴったりのサービスが見つかる
水洗トイレとロータンク
ロータンクの構造
水洗トイレのタンクは多くの機種がありますが、水を出したり止めたりする原理はほとんど同じです。
一般家庭でよく使われているのは、排水管がない「密結型ロータンク」とタンクが壁に取り付けられている「すみ付きロータンク」です。
- 密結型ロータンク:排水管がないもの
- すみ付きロータンク:タンクが壁に取り付けられているもの
また、手洗い器の有無がありますが、手洗いのないものが増えています。
以下の画像はロータンクの構造を表したものですが、形が異なるものもあるので分からない場合にはメーカーの問い合わせをしましょう。
ボールタップ
浮き球によるピストンバルブが上下して水を出したり止めたりします。
止水栓
水道管からの給水をとめたり水の量を調節したりできます。タンクの修理をするときには必ず止水栓を締めてから行います。
止水栓を閉めるときには、回した回数を覚えておき、修理後に開けるときに同じ回数を逆回しして開けるようにします。
サイフォン(オーバーフロー管)
ボールタップの故障などにより水が止まらないときには、便器に水を流してタンクから水があふれるのを防ぎます。
ゴムフロート(浮きゴム)
レバーで引き上げられるとタンク内の水が便器に流れ、水位が下がると閉じます。
ロータンクから水が流れる仕組み
① レバーをひねる
レバーをひねるとゴムフロートが引き上げられ、水が便器に流れ出しまsう。
② 水の供給が始まる
水位とともに浮き球が下がり、水の供給が始まります。
③ ゴムフロートが閉じるまで…
ゴムフロートは水に浮いているので、かなり水位が下がるまで閉じません。
④ 給水が止まる
ゴムフロートが閉じ水位が上がると、浮き球も押し上げられるので給水が止まります。
ロータンクの故障と修理
水が出ないときの対応
タンクに水が溜まっている場合
レバーとゴムフロートをつないでいるクサリがはずれたか切れています。クサリが切れている場合には、ゴムフロートごと交換します。
タンクに水が溜まっていない場合
止水栓が閉じていないかを確認
タンクに水が溜まっていない場合には、止水栓が閉じていないか確認します。止水栓が閉じている場合には止水栓を左に回すと水が出ます。
浮き球が引っかかっていないかを確認
浮き球がタンクの壁にひっかかり、下がらないことがあります。支持棒ごと浮き球をはずして、支持棒を軽く曲げ、浮き球が壁に触れないようにつけ直します。
止水栓や浮き球に異常がないときには?
止水栓や浮き球に異常がないときには、水垢などによりボールタップのピストンバルブの動きがスムーズにいかなくなっています。
止水栓を閉めてから、ピストンバルブを取り出し、ブラシやサンドペーパー(600番くらい)で水垢を落とします。
ボールタップの動く部分の水垢もよく落としておきます。
水が止まらないときの対応
水位がサイフォン(オーバーフロー管)よりも低い場合
ゴムフロートがはずれていたりゴミがはさまっています。止水栓を閉めてからゴムフロートをはずし、排水口に当たる面をよく洗ってから取り付けます。
またゴムフロートに触ったときに手が黒くなるようなときは、ゴムが劣化しているので新しいものと交換します。
ゴムフロートはメーカーや年代によって形状が異なる場合があるので、購入する際にはよく確認しましょう。
サイフォン(オーバーフロー管)から水があふれている場合
浮き球が外れている・浮き球に水が入っている
浮き球が外れていたり浮き球に水が入っていると、給水が止まりません。外れているときには支持棒をよくねじ込み、水が入っているときには浮き球を交換します。
ボールタップの故障
浮き球に異常がないときにはボールタップの故障です。ピストンバルブを取り出しパッキンの面を確認します。ゴミがかんでいるときにはよく洗って取り除き、摩耗しているときには新しいパッキンに交換します。
パッキンは横から見ると台形なので大きい方を下にして入れます。なお、ボールタップのネジが外れない場合にはタンクからボールタップを取り外し、パッキンを交換します。
ボールタップの外し方
ボールタップの種類
ボールタップには種類があるので、交換する場合には合うタイプを選ぶ必要があります。
下記の3つのタイプには補助給水管付きのものとないものがあります。補助給水管は、サイフォン型と呼ばれる便器に使われ、ボールタップからオーバーフロー管にゴム管を取り付けることで、便器内に水を余分に流し水切れによる悪臭を防止する効果を高めています。必ずサイフォン(オーバーフロー管)の内側に取り付けます。
手洗い器のタイプのボールタップ
手洗い器付き、手洗い管が端にあるタイプのボールタップ
補助給水管付きのタイプのボールタップ
ボールタップの外し方
ピストンバルブの交換でネジが外れない場合には、ボールタップをはずしてピストンバルブを交換します。また、パッキンを交換しても水漏れが直らない場合にはボールタップを交換します。
タンク内のボールタップは、給水管および給水管ナットと締め付けナットで固定されています。
① 止水栓を閉め水を流す
止水栓を閉め、ハンドルを回してタンクの水を流してから作業をします。
② 給水管を取り外す
まず一番外側のナット、次に給水管を外します。水がこぼれることがあるので、バケツを用意するとよいです。次に締め付けナットを外します。
③ ボールタップを引き抜く
ボールタップを内側から引き抜きます。
④ 作業終了後に取り付ける
作業が終わって取り付ける場合や新しいボールタップに交換する場合には、取り付け方は外した逆の手順で行います。このとき、パッキンを入れ忘れるとその部分から水漏れするので注意が必要です。